【調査報告】訪問看護師が利⽤者・家族等から受ける暴力等の実態調査(2023年度)

一般社団法人福島県訪問看護連絡協議会が、福島県内の訪問看護師に対して実施した「訪問看護師が利用者・家族等から受ける暴力等の実態調査2023」の結果を公開します。本調査は、訪問看護師が現場で直面する暴力の実態を明らかにし、彼らの安全と健康を保障する環境を整備するための重要なデータを提供することを目的としています。

調査の背景

訪問看護師は、利用者宅での看護業務中に身体的、精神的、性的なハラスメントを含む様々な形の暴力に直面することがあります。これらの状況は、看護師の心身の健康を害し、業務の質にも悪影響を及ぼす可能性があります。訪問看護師が安全に職務を遂行できる環境の確保は、質の高い医療サービスを提供するために不可欠です。

調査の目的

本調査の目的は、訪問看護師が利用者やその家族から受ける暴力の実態を明らかにし、訪問看護師の安全と健康を保障し、安全に訪問看護を実施できる環境を実現することです。さらに、調査結果は政策提言の基礎資料として活用され、訪問看護事業所における実運用の改善に寄与することを期待しています。

期待される成果

  • 訪問看護師が直面する暴力の実態とその影響を詳細に把握
  • 訪問看護の現場での安全対策および支援策の策定に資する実用的な知見の提供
  • 政策提言や業務改善のための基礎データの提供

調査概要

  • 調査対象: 福島県内の訪問看護事業所に所属する看護師・保健師・准看護師、作業療法士・理学療法士など
  • 有効回答数: 169人(有効回答率: 16.97%)
  • 調査方法: インターネットを利用した自己記入式、匿名アンケート
  • 調査期間: 2023年12月22日(金)~2024年2月2日(金)

結果の概要

  • ハラスメントの実態: 約40%の訪問看護師が過去1年間に利用者やその家族から何らかの暴力を受けたと回答しました。具体的には、精神的暴力が最も多く、次いで身体的暴力、性的ハラスメントが報告されています。
  • リスク層: 訪問看護従事期間3~5年がハラスメントを受ける経験が最も多く、その影響(業務意欲、勤務継続)を大きく受けることがわかりました。
  • ハラスメントへの対策: 必要に応じて複数人による訪問が可能になることが望まれました。またハラスメントを経験した後でも、組織内に相談窓口との連携を持つことで、その影響が軽減できることが明らかになりました。

担当

  • 調査実施: 一般社団法人福島県訪問看護連絡協議会
  • 分析報告: 一般社団法人オープンデータラボ

お問合せ先

調査内容や結果に関するお問合せは、以下の連絡先までお願いいたします。

一般社団法人福島県訪問看護連絡協議会

  • TEL: 024-926-1223
  • FAX: 024-926-1226
  • E-mail: info@flan.jp

一般社団法人オープンデータラボ

  • TEL: 080-7012-8317
  • E-mail: info@odl.or.jp

本調査の詳細な結果と分析は、以下のリンクからご覧いただけます。

調査報告書ダウンロード(PDF 2MB)

一般社団法人福島県訪問看護連絡協議会は、今後も訪問看護師の安全と健康を守るための取り組みを続けてまいります。