【開催報告・動画案内】管理者研修Ⅰ・従事者研修Ⅰ「お天気と防災&訪問に役立つお天気豆知識」

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2025年5月17日(土)、研修会「お天気と防災&訪問に役立つお天気豆知識」をふくしま医療機器開発支援センターにて開催いたしました。今回は、加速する地球温暖化による自然災害リスクの増大と、高齢化社会における災害弱者支援の重要性に焦点を当て、訪問看護ステーションの管理者・従事者の皆様を対象に、実践的な防災・減災対策と、日々の訪問看護に役立つ気象の知識について学びを深める機会となりました。

講師には、福島テレビ気象予報士の斎藤恭紀氏をお迎えしました。斎藤氏は、長年の気象予報士としての経験から得た豊富な知識と、具体的な災害事例を交えながら、私たちの生活に密接に関わる気象の変化とそれに伴う災害リスクについて分かりやすく解説くださいました。

研修では、まず近年の異常気象、特に熱中症リスクの深刻化に警鐘が鳴らされました。高齢者が熱中症になりやすい特性や屋内で発生する熱中症の危険性、そしてエアコン使用の重要性といった、日々の訪問看護業務に直結する具体的な対策が提示されました。さらに、地球温暖化がもたらす大雨の増加傾向や、福島県内で特に注意すべき線状降水帯の発生リスクについて、過去の災害事例を交えながら詳細に解説。熊本県の老人ホームでの浸水被害や、福島県内の被災地の教訓から、ハザードマップの活用、早期避難の重要性、そして災害弱者支援のための個別避難計画の策定がいかに不可欠であるかを強調いただきました。

また、地震災害のリスクについても言及がありました。福島県が全国で最も地震の多い地域であること、そして内陸活断層による強い揺れが引き起こす家屋倒壊の危険性など、地域特有のリスクと対策について具体的なアドバイスをいただきました。特に、旧耐震基準の建物にお住まいの利用者様への声かけや、耐震診断の推奨など、訪問看護師が日々の業務の中で実践できる視点が示され、参加者の皆様は真剣な眼差しで聞き入っている様子でした。

質疑応答の時間では、参加者から活発な質問が寄せられ、それぞれの訪問看護ステーションが抱える防災上の課題や疑問について、斎藤氏から丁寧かつ具体的な回答をいただきました。この研修を通じて、参加者の皆様は、気象と災害に関する最新の知見を得るとともに、利用者様とそのご家族、そして自身の命を守るための具体的な行動について深く考える機会になったものと存じます。

今回の研修内容が、各訪問看護ステーションにおける防災意識の向上と、有事の際の迅速かつ適切な対応に繋がることを心より願っております。

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今後とも、皆様の現場運営が一層円滑かつ質の高いものとなりますよう、引き続き有益な情報発信に努めて参ります。